株式相場には、さまざまなアノマリーや「季節性」が存在します。日本はこれから夏本番。そこで、今回は夏が暑ければ暑いほど商品の需要が増え、株価が上昇するといわれる「サマーストック」の値動きを検証します。関連する全銘柄を検証することはできませんが、代表銘柄に絞って、夏の間のパフォーマンスを見てみましょう。 【画像】代表的なサマーストック15銘柄
イメージ画像(PIXTA)
「サマーストック」効果を検証
季節要因需要
2026年は梅雨入りが例年より遅く、梅雨明けが例年より早い、降雨の少ない梅雨になりそうです。この原稿を書いている6月末、西日本はすでに梅雨明け。関東以北も、7月上旬の梅雨明けが予想されています。日本列島は、梅雨が明ければ夏本番。2022年以降、日本は毎年のように暑さ厳しい夏が訪れていますが、2026年も酷暑になりそうです。 夏の株式相場といえば、注目テーマに挙げられるのが「サマーストック」。サマーストックとは、「その年の夏が暑ければ暑いほどエアコンやビール、ソフトドリンク、アイス、夏のレジャーなどの季節要因需要が増え、それを見越した買いが入るため株価が上がりやすい」というもの。毎年のようにメディアで取り上げられる相場テーマのひとつです。
近年は「夏だから買われる」傾向は鈍化
代表銘柄のパフォーマンス
検証した銘柄は、エアコンメーカーのダイキン工業やビールのアサヒグループ、ソフトドリンクの伊藤園、冷感商品を手掛けるトイレタリーや化粧品メーカー、殺虫剤、旅行関連、インドア関連など代表的なサマーストックです。本来は、同じセクターのライバル会社もすべて算入すべきですが、銘柄数が膨大になるほか、ライバル会社は基本的に値動きが似通っているため、今回は各セクターの代表的な1銘柄のみをピックアップしています。 さて、結果はどうなったか。全15銘柄が、同期間のTOPIXのパフォーマンスを上回る「サマーストック」の名に恥じない数字になりました。ただ、先ほどお伝えした15銘柄とTOPIXのパフォーマンスを比較した「勝敗」に関しては、2015年が14勝1敗、2016年が13勝2敗、2017年が15勝と、10年間の前半は高い勝率を誇っていたものの、2019年は7勝8敗と勝率が急降下。2021年は8勝7敗、2023年は5勝10敗と、勝率がかなり下がった印象です。また、いわゆる「猛暑」となった2016年、2020年、2022年、2023年、2024年について、「猛暑だから勝率が上がる」こともありませんでした。 さらに、「1年の間、5~9月に年初来高値を付けているか」も調べてみたところ、顕著な傾向は見当たらず。たとえば、江崎グリコ。2015年から3年間は、確かに夏場に株価が上昇する傾向がありましたが、2018年以降は反対に株価が下落する年も見受けられました。ビール首位のアサヒグループホールディングスや、殺虫剤のフマキラーも同様です。 一方で、エアコントップのダイキン工業の株価は、2021年、2022年、2023年と3年連続で夏場にその年の高値を記録。サントリーホールディングスの中核であるサントリー食品インターナショナルの株価も、夏場に高値を付ける傾向が顕著でした。 今回の調査の結果、以下の傾向が浮かび上がりました。 ・2019年以降、「サマーストック」のパフォーマンスはまちまち。 ・TOPIXのパフォーマンスと比較すると値固い銘柄が多いものの、近年はその傾向がやや鈍化 ・過去10年間のうち「どの年も夏場が強い」銘柄はナシ ・「猛暑」と猛暑ではない年を比べても、大きなパフォーマンスの差は見当たらない ざっくりまとめると、「サマーストックだから買われる」というより、その銘柄の業績や相場の状態に大きく左右されるということ。今後は、「サマーストック」を材料に買うのではなく、きちんと個別の業績をチェックしていくべきでしょう。
