これまで住宅ローンの返済期間は「最長35年」が一般的でしたが、最近では40年や50年といった「35年超」の長期返済を選ぶ人が増えています。では、超長期のローンにはどのようなリスクがあり、誰なら安心して利用できるのでしょうか。今回は返済負担やローン残高の減り方を解説しながら、長期返済を検討する際のポイントを紹介します。
住宅金融支援機構の調査によると、直近2~3年で35年超の返済期間を選ぶ人は増加傾向にあり、現在ではローン利用者の約25%がこの条件を選んでいることがわかりました。背景には、都市部の物件価格の高騰があります。東京都23区内の新築マンションの平均価格は2年連続で1億円を超えており、35年返済では毎月の返済額が高額になりすぎるため、より長期のローンを選ぶ人が増えたと考えられます。
また、銀行などの金融機関が最長返済期間を35年から40年、50年に延長したことも、利用者の増加に影響していると見られます。しかし、長期ローンを組む場合は、慎重な計画とリスク想定が不可欠です。たとえば27歳で住宅を購入した場合、40年ローンでは67歳まで、50年ローンでは77歳まで返済が続くことになります。共働き世帯でも、子どもの誕生や妻の退職、教育費の増加などで計画通りに繰り上げ返済できない可能性があるのです。転職や休職、離婚、病気、介護など、人生には予期せぬ事態が起こることも考慮する必要があります。
超長期ローンのもう一つの注意点は利息負担です。元利均等返済で借入額5000万円、金利2%の場合、30年返済と比べて50年返済では毎月の返済額は約5万3000円少なくなりますが、総返済額は約1300万円増える試算となります。また、50年返済では30年経過後もローン残高の約52%が残っており、売却しようとしてもローン残高が上回る可能性があります。
では、どのような人なら40年・50年ローンを選んでもよいのでしょうか。ポイントは次の通りです。
資産運用ができる人:NISAやiDeCoなどで資産形成を行い、ローン金利以上の利回りで長期運用できる人。
売却や貸出が容易な物件を購入する人:立地条件がよく、将来でも買い手や借り手が見つかりやすい物件。
ローン契約者の安全策がある人:夫婦のどちらか一方でローンを組む、または離婚時の対応策を事前に決めている場合。
すべての条件を満たす必要はありませんが、少なくとも1~2項目をクリアしていない場合は、超長期ローンはリスクが高くなります。長期返済を検討する際は、無理のない返済計画とリスクの確認を必ず行い、慎重に判断することが重要です。
